たなかみさきのロマンポルノ季候

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2021.07.30

イラストレーターたなかみさきが
日活ロマンポルノの映画の中から
おすすめの作品を
四季折々の感性で描く
月刊イラストコラム。

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2021.07.30

牝猫たちの夜


さまざまな作品に出てくる食べ物をすごい勢いで食べるシーンが昔から好きで
この『牝猫たちの夜』でも冒頭に出てきた結婚式に出席した3人が愚痴を言いながら
メッタメタにパスタを食べているシーンで心を掴まれました。
白く霞んだ新宿の空に争う牝猫のように逞しく感じました。

この連載は月1回更新でお届けします。
次回2021年8月27日(金)掲載予定


本日の作品

牝猫たちの夜

牝猫たちの夜

泡沫の日々、街の目覚めに眠気さす 湯気に抱かれた女たちのバラード

監督は“性愛のリアリスト”田中登。監督2作目にして、独自の官能美学を確立している。 新宿のソープランド“花散里”で働く、昌子、ジュン、おみつは、売れっ子である。昌子には、本多という恋人がいるが、本多は誠というゲイの男の子を可愛いがっている。ある日、誠にチコという恋人が出来た。誠はまだ女と寝たことがないので、うまくセックス出来るようにと頼まれたが、本多の努力も空しく誠は失敗し、チコは逃げ出してしまう。誠を不憫に思った本多は、昌子に男としての自信を持たせてやってほしいと頼み込んだ。昌子は、誠に恋人が出来ると本多を一人占めに出来ると考え、いやいや誠と交わるのだった。そして、誠は初めてセックスに成功する。翌日、本多に促され、改めてチコと逢い、ムード音楽の流れる中で、再度セックスを試みるのだが…。

牝猫たちの夜