たなかみさきのロマンポルノ季候

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2021.11.30

イラストレーターたなかみさきが
日活ロマンポルノの映画の中から
おすすめの作品を
四季折々の感性で描く
月刊イラストコラム。

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2021.11.30

ラブホテル


今回の作品「ラブホテル」は大好きな作品なので、いつかこの連載でも取り上げたいと思っていました。
モノや場所の使い方がとても印象的で、鏡に姿が映る時に登場人物が何かハッと気付いた事を暗示しているようであったり、階段を使って隔てた別の世界のような演出や、同じ体験を繰り返すことで時間が戻るような感覚がなぜか生々しく、時間感覚が狂わされるような不思議さを感じました。
改めて見ると、私はこの作品にとても影響を受けて絵を描いていますね、、
飛び降りようとするも虫がきて思いとどまる所や、行為の後のティッシュの使い方などの細かく繊細なリアリティがあり、より作品にのめり込みました。
愛と死の危うくスレスレの刹那を切り取った名作です。

この連載は月1更新でお届けします。
次回2021年12 月28日(火)掲載予定


本日の作品

ラブホテル

ラブホテル

男は女を【天使】と呼んだ─。相米慎二監督、後期ロマンポルノを代表する名作!

スタイル、ルックス、セクシー度どれも抜群の速水典子が、一躍脚光を浴びたロマンポルノ大作! 監督は大ヒット作『セーラー服と機関銃』(81)の相米慎二。 事業の失敗で借金まみれとなった村木哲郎(寺田農)は自殺しようと考えていた。“夕美”と名乗るホテトル嬢(速水典子)にナイフを突きつけ、「お前道連れだよ」と脅し、異常プレイをけしかけた。だが、性具に身悶えする彼女の美しさに気おされ、ラブホテルの一室を去った。─2年後。タクシーの運転手になった村木は偶然にも“夕美”と再会し、自分の正体を明かす。愛人との仲がぎくしゃくし始めた彼女と心に傷を負った村木の、切ない付き合いが始まる。運命なのだろうか、やがてふたりは?あの夜?をなぞるように同じラブホテルに出向くことになる・・・。

ラブホテル