みうらじゅんのグレイト余生映画ショー
in 日活ロマンポルノ アーカイブ

毎月、衛星劇場にて放送されている、みうらじゅんがロマンポルノ作品を毎回テーマごとに紹介する
「グレイト余生映画ショー in 日活ロマンポルノ」。
ロマンポルノ誕生50周年、番組誕生10周年を迎えるにあたって、過貴重な番組アーカイブから、公式書き起こし。(隔週更新予定)
衛星劇場を含む最新の放送情報などはテレビのページよりご確認ください。

これまでの記事はコチラからご確認ください。



第11回「晋也番組」

今回の特集は、山本晋也監督の作品。初放送の作品も多いと思うんですが、きっと皆さんにもお楽しみ頂けると思います。晋也番組特集楽しみにご覧くださいませ。

ほとんどビョーキ!
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生まれた瞬間から始まる、余生へのカウントダウン。残された人生をハッピーエンド&グレイトにすごすため、男たちの永遠のバイブル!日活ロマンポルノ青春ロードショー!今夜はシンヤ・ヤマモト・プレゼンツ「晋也番組」。日本の男が一度はお世話になったアノ「キング・オブ・ポルノ」山本晋也を大特集!!奇想天外ぶっ飛びポルノ。常識を覆すエロアナーキーが蘇る!真っ暗闇に広がる大人のワンダーランド。あの頃、晋也がエロかった!

まだ、バリンバリンの童貞だった頃から、よくポルノ映画見に行ってたんですが、何本かに1本山本晋也監督の作品が入っていることが多かったんです。その時、僕は、「何のために生きてるんだろう?」みたいな、すごく人間としての疑問が出るぐらいのギャグポルノっていうんですかねエロとギャグ。当時のちょっと理解し難い組み合わせだったんですけども。後にSEX を覚えてから、意外と笑いとエロは背合わせであるって事が、ようやくわかってきました。
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ずいぶん前の話なんですけども、当時、つき合ってた彼女の部屋で、たまたま日曜日の夕方にエッチを始めちゃたんですけどもね。テレビがつけっぱなしだったんですよね。僕も、まぁいいかと思っていたんですけども、しばらくして「笑点」のあのテーマ曲が流れてきてね、どうしたもんかと思いました。でも自然と動いているんですよね。もう、そんな自分が可笑しくて、笑い出しそうになったんですけど必死に我慢しましたそれですよね、山本晋也監督作の世界観って、と勝手に思っています。

これは重要なことなので、ちょっと語っていいですか? 日本に「LOVE & SEX」 っていう言葉が持ち込まれたのは60年代後半ぐらいですよね。
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たぶん、その以前に訳が「LOVE=愛」はあったでしょ?だから「LOVE & SEX」って言葉を知った時、やはりここは行為中に、二度三度「愛してる」とか言ったほうがいいんじゃないかと思って、言っていたんですよね。でも、彼女の方から「本当に愛してる?」と聞き返された時はドキッとしました。だって、愛についてよく知らなかったんですから。この山本晋也監督の作品をずらっと観てもらうと分かりますけども、この言葉が輸入される時にラブとセックスが入れ替わっちゃって「SEX LOVE」なんてことになったのではないかと。和訳すると「交尾愛」ですからね(笑)。
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今回、そんな『それゆけ痴漢』、『ポルノ・チャンチャカチャン』、『赤塚不二夫のギャグポルノ 気分を出してもう一度』、そして『好色透明人間 女湯覗き』という4作品をお送りします。山本晋也監督の作品は、ものすごい数を撮られているんですけど、取り分け、"これぞ晋也作品"という、タイトルだけでも見ていただきたいと思います。

■山本晋也のほとんど下宿
まず、監督と言えば、「下宿シリーズ」ですね。下宿のおねえさんが、牛乳瓶のフタみたいなレンズのメガネをかけたマジメ大学生を誘惑したりするシリーズの一本だと思いますね。
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続・未亡人下宿 表も貸します裏も貸します』ま、後ろから前からのハシリでしょうね。
セミドキュメント 新・未亡人下宿』セミっていうのがいいですよね。半分ホントってことですよね?
ドキュメントポルノ 痴漢アパート』これにはセミが入ってないですね。こんなアパートに入る人いるんですかね?
新・未亡人下宿 すぐ入れます』どうやらいつも空いているようですね。

■山本晋也のほとんど痴漢
晋也監督と言えばこの「痴漢シリーズ」も有名ですけど、どうなんですかね?今では考えられないシリーズでしょ?
ドキュメントポルノ 痴漢集団
ドキュメントポルノ 続・痴漢集団
セミドキュメント にっぽん痴漢五十年史』また、セミですが、いつから、50年をさかのぼっているのでしょうかね?


■山本晋也のほとんどドキュメント
ドキュメントポルノ 痴漢常習犯』 いや、もうこうれはダメでしょう。
それゆけ痴漢』 それゆけって、一体だれが言っているんですかね?
ドキュメント・ポルノ 女紐
ドキュメントポルノ (秘)痴漢テクニック
ドキュメントポルノ 温泉旅館(秘)テクニック

このジャンルを一手に引き受けてらっしゃったということがスゴイです。今観ると、すごく外ロケの撮影がしっかりしているんですよね。ちょっと夜のシーンが当然、多いですからね。相当な照明をたいて撮影してらっしゃったということです。すごい撮り方も凝っておられます。言い方変なんですがマットーな映画のように撮っておられるんですよね。それでタイトル『それゆけ痴漢』ですからね。面白くないわけないとは思いますけどね。エロにはやはり面白い世界があるということですよね。それを今回観ていただくということです。

それゆけ痴漢』(1977年)
ポルノ・チャンチャカチャン』(1978年)
赤塚不二夫のギャグポルノ 気分を出してもう一度』(1979年)
好色透明人間 女湯覗き』(1979年)
※各作品はFANZAをはじめする動画配信サービスにて配信中です

好色透明人間 女湯覗き』の発想って後にケヴィン・ベーコン出演の『インビジブル』(2000年 アメリカ映画)ってのがありましたけど、影響下にあるんじゃないですか?『インビジブル』でも透明人間になると、やっぱり女性のお尻を触ったりするんですよね。晋也監督作の方は、女湯に行くんですがね。いや、この晋也作品、特撮もスゴいです。円谷英二さんが特撮監督した『透明人間』(1954年東宝製作)に匹敵しますよ。そういうとこも気を付けて観て頂きたいです。ということであなたもグレイト余生を!
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出演・構成:みうらじゅん /プロデューサー:今井亮一/ディレクター:本多克幸/製作協力:みうらじゅん事務所・日活



 衛星劇場では、サブカルの帝王みうらじゅんが、お勧めのロマンポルノ作品を紹介するオリジナル番組「みうらじゅんのグレイト余生映画ショー in 日活ロマンポルノ」を放送!

※人気コーナー「みうらじゅんのグレイト余性相談室」では、皆様から性のお悩みや、疑問を大募集


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