みうらじゅんのグレイト余生映画ショー
in 日活ロマンポルノ アーカイブ

毎月、衛星劇場にて放送されている、みうらじゅんがロマンポルノ作品を毎回テーマごとに紹介する
「グレイト余生映画ショー in 日活ロマンポルノ」。
ロマンポルノ誕生50周年、番組誕生10周年を迎えるにあたって、過貴重な番組アーカイブから、公式書き起こし。(隔週更新予定)
衛星劇場を含む最新の放送情報などはテレビのページよりご確認ください。

これまでの記事はコチラからご確認ください。



第10回「長い黒髪の女の子」

20127月放送10 のテーマは「長い黒髪の女の子
みうらじゅんと申します。「グレイト余生映画ショー in 日活ロマンポルノ」第10回目を迎えました。テーマは、「長い黒髪の女の子」ということでございます。

Mj_10_01.jpg
今回のテーマはジャパン・ビューティ「長い黒髪の女の子」!。可憐にそして濃厚に誘う濃厚フェロモン!純度100%の大和撫子大特集。いつまでも追いかけているあの娘の後ろ姿。いまなお色褪せない初恋ファンタジーが蘇る!!

Mj_10_02.jpg
今回のテーマは「長い黒髪の女の子」。なんなんでしょう?今までおっぱいとか、お尻ばっかりに絞ってきましたけど、ついに上に上がってきたっていうことですよね。髪の毛もやっぱりこうセクシーゾーンではないかということでございます。

日活ロマンポルノが盛んに撮影られてた70年代と80年代っていうのは、女の子の髪型がすごく変遷した時代ではあったんじゃないかなと思うんです。70年代に一番僕が劇場に観にいっていた頃はですね、基本的にはストレートの黒髪の直毛であるということが、美少女の条件でございました。楽屋で一生懸命、絵も描いていました。見て下さい。

Mj_10_03.jpg
これ僕が何回も何回も、高校時代に描いた絵です。当時、上村和夫さんの「同棲時代」っていうマンガがあったんですけど、よくセーラー服がでてきまして。僕が通っていたのは男子校だったんで、周りにも誰もセーラー服の娘がいないんだけど、なんかセーラーが急に好きになるって言う事で。何なんですかね、僕らよりも上の世代ですよね。セーラーが好きな人ってね。

セーラー服ってそもそも、海軍のね男の人が着る服で、避難する時にすぐ脱げて、飛び込める格好であるって、ここの紐をパンと外すと胸開きますから。それが、なぜ女子校生に用いられたってことですよね?すぐ脱げるということに意味があるのか?っていうことですよね。後におニャン子クラブで、「セーラ服を脱がさないで」みたいなこと言うでしょ。ということでやっぱり脱ぎやすい服であるということにエロチシズムが発生してたということですよね。

■選んで!みうらさん 今月の厳選作

25425.jpg
今回紹介するのは、1976年製作の『禁断・制服の悶え』。当然制服っていうことは、当然、セーラー服でございます。主演が東てる美さん。このポスターのポーズ、頭に手をもってきてますが、口元に手をやると『エマニュエル夫人』と同じですね。古くは弥勒菩薩の半跏思惟になるっていうのが、セクシーに見えた時代です。この方も黒髪で横分けでしょう。横分けっていうのがこれがまたイイんですよね。

そして『幼な妻 絶叫!!』。絶唱といのは山などでよくありますが、絶叫ですからね。当時ポスターが近くの大衆浴場に貼ってあったんですけど、この方(谷ナオミ)が幼な妻だとずっと思ってたんよね。谷ナオミさんですよね。谷ナオミさんが目立ちすぎててね。実は渚りなさんが主演で、この方は真ん中わけですよね。この頃、渚といえば、渚ゆう子さん。「京都慕情」が大ヒットした方で、あと、大島渚さんが有名ですよね。そんな関係ない渚ブームがありました。

25544.jpg
エロス学園 感度ばつぐん』。この頃、流行っていました梶原一騎先生の一騎イズムの学園モノなんですよね。「愛と誠」も流行っておりました。最終的にエロ本でよく描いておられた福原秀美さんという漫画家先生がおりまして、ご存知ですかね?必ずセーラー服の女性が山道を歩いているところから始まるんですよ。そこになんかおっさんがフンドシ一丁出てきて、ふんどしはずしたら、ビーンとなっていて。黒くベタ塗りしているところに、美しく【実物大】って書いてありました。エロス学園 感度ばつぐん』というのもグッとくる、その流れのタイトルですよね。主演が小川亜佐美さん。この方もセーラー服で真ん中分けで、黒髪でロン毛であるということで条件がかなっていますね。この男優の方がちょっと目立ちすぎ。転校してきて、昔「ぶれいボーイ」っていうマンガがあったんですけど、ちょっと悪いヤツのほうがモテるっていうのがこの頃あったんですよ。僕は全然悪くもなかったし、正しくもなかったんで、モテやしませんでしたけど。

baa5d00347a748cdf87e50500a34841194a46173.jpg
団鬼六 美女縄地獄』。高倉美貴さん主演の作品でございます。美しい人ですよね。センター分けで黒髪であるということで。それと団鬼六さんのやっぱりあの骨頂である「蔵モノ」ですね。あの蔵っ言っても、酒蔵ではない縛り蔵っていうやつで。未だに田舎の町で蔵を見つけると中で、縛られてんじゃないかなと思ってしまうほど、団鬼六さんには影響を受けました。

■教えて!みうらさん 黒髪美少女ヒストリー
この長い黒髪、センター分けよりちょっと外れたところがポイントでございます。個人的に大好きだった方は栗田ひろみさんでしたね。初のグラドルではないでしょうか。僕この方が大好過ぎて、上京したのは、栗田ひろみさんと将来的に結婚しようと思って、半分本気で出てきたんですよ。

Mj_10_04.jpg
それほど好きだった栗田ひろみさんが直毛であった。そして『旅の重さ』(1972年 松竹製作)の高橋洋子さんもセンター分けの直毛。その他にも、南沙織さん、りりィさん。村地弘美さんも浅田飴のコマーシャルで長かった。そしてオリヴィア・ハッセーさんですよね。小林麻美さんも長かったです。最終的には、麻丘めぐみさんのお姫坂カットになりました。

その後、どうなったかというのを伝えておこうと思いますが、こういう70年代の良い時代があった後に、80年代、本当、ひどかった〜。こういうふうになります、女の子の頭(笑)

Mj_10_05.jpg
尾長鳥と言われている髪型や、蜂の巣、そして似合えば可愛いんですが、百恵ちゃんをマネたショートでしたね。今こそ黒髪の復権を願いたいということで、今回はこの4本をご観いただきたいと思います。エロス学園

禁断・制服の悶え(1976)
幼な妻 絶叫!!(1976)
エロス学園 感度ばつぐん(1977)
団鬼六 美女縄地獄(1983)
※各作品はFANZAをはじめする動画配信サービスにて配信中です

次回11回目の「グレイト余生映画ショー」なんですけど、テーマは「深夜番組」。深夜番組といっても、色々ありますよね。当然日活ロマンポルノで、深夜番組というピンと来た人もいるでしょ山本晋也監督の「晋也番組」の特集でございます。お楽しみにお待ちくださいませ。それではあなたもグレイト余生を!

Mj_10_06.jpg
■クレジット
出演・構成:みうらじゅん プロデューサー:今井亮一
ディレクター:本多克幸 製作協力:みうらじゅん事務所・日活



 衛星劇場では、サブカルの帝王みうらじゅんが、お勧めのロマンポルノ作品を紹介するオリジナル番組「みうらじゅんのグレイト余生映画ショー in 日活ロマンポルノ」を放送!

※人気コーナー「みうらじゅんのグレイト余性相談室」では、皆様から性のお悩みや、疑問を大募集


コラム一覧へ