みうらじゅんのグレイト余生映画ショー
in 日活ロマンポルノ アーカイブ

毎月、衛星劇場にて放送されている、みうらじゅんがロマンポルノ作品を毎回テーマごとに紹介する
「グレイト余生映画ショー in 日活ロマンポルノ」。
ロマンポルノ誕生50周年、番組誕生10周年を迎えるにあたって、過貴重な番組アーカイブから、公式書き起こし。(隔週更新予定)
衛星劇場を含む最新の放送情報などはテレビのページよりご確認ください。

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第3回「海女」

■2011年12月放送分
どうも、みうらじゅんと申します。「グレイト余生映画ショーin日活ロマンポルノ」今回目のテーマは、コレAMA(エーエムエー)」でございます。

MJ_03_01.pngこう言うとちょっと航空会社のイメージが出るでしょう(笑)。実は私の童貞期、一番遠いテーマでありました「海女」シリーズについておくりたいと思います

MJ_03_02.png今回のお送りするテーマは美しき海の女、「海女」。愛と情欲の波渦巻く、背徳のシーサイドエロスに迫る。伝統を受け継ぐSEXYマーメイド。神秘に包まれた、女だらけの桃源郷がいま露わに!!

今回も上野オークラ劇場という成人映画専門館からの収録です。僕が当時、海女シリーズを観た所もこの雰囲気に近いです。
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今回紹介するのは1976年製作の色情海女 乱れ壷』から1982年製作のくいこみ海女 乱れ貝までの4本でございます。僕が当時観た作品はもっと前のものでしたから、海女シリーズは長年に渡り、撮られてきたことになりますね。80年代というと、音楽の方ではYMO 台頭でテクノが大流行。バブル期でイケイケの時代でしたが、そんな中でもその時代でも海女シリーズが製作されていたということは大変興味深いですね。

今回の特集に当たり、いろいろ私物を持ってきたんですがね。
MJ_03_04.pngまず、この海女の絵葉書を見て下さい。そもそも海女が何故絵ハガキに登場してたかということを説明しないと、今回のシリーズは分からないと思います。これは、今でいう週刊誌のグラビアアイドルですよね、そのグラドルの走りが海女であったという事実。これは御宿の海女さんですね。トップレスでしょ。そりゃ大人気ですよ。次に、これは能登半島の舳倉島っていう所におられた海女さんのトップレスモノ。Tバックなんてものじゃない。紐パンの元祖がここにあります。そしてこれが海女さんの被っておられる白い布に描いてある「ドーマンセーマン(道満・清明)」という海にいる魔物から守る御札みたいなものです。これを縫い付けて行くらしいです。自分とそっくりな顔をしたトモカズキという魔物がね...その説明はいりませんよね?(笑)
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海女モノといえば『潮騒』(1975年東宝製作の映画)も有名ですね。山口百恵さんなどキレイな女優さんで何度もリメイクされています。すなわち、海女は歴代アイドルがやってきたものであるということですね。そしてこの、「御宿ブルース」。レコードまででているくらい人気があった世界ということです。昨今、可愛すぎる海女登場で週刊誌の記事にとりあげられたり、平成になってからも海女が再ブームをしているということを伝えときましょう。(※注、収録はドラマ『あまちゃん』以前)

頼まれてもいないのに、絵を描いてみました。力が入っているでしょう(笑)。
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皆さんわかっていただきたいのが、海女の分布図ですよね。こういうことですね。昔はですねアワビとかを取った海女さんが沢山おられたということで。岩手、千葉、三重、石川、山口、長崎と海女さんが沢山おられた時代の地図でございます。
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今回見ていただく海女シリーズの特徴ですね。この4本における共通点を絵に描いてきましたフンドシをされている方がおられる。岩場と海女小屋で大体行為をされるということが特徴でございます。海女小屋というのは、海女さんが暖を取られる場所で、こういった所でもプレイが行われる。そして浜でもありますね。浜では海女どうしのよくキャットファイトが行われるということです。そして船上ですね。たいがい、浜とか船上で行われる時にでてくるのがアワビの踊り焼き地獄焼きって言うんですか、火で炙っている映像が出ていきます
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この4作品から名言集として私選んできました。
「誰かのアソコみたいだな」という『色情海女 ふんどし祭り』のセリフですけど、
くいこみ海女 乱れ貝』でも「あんたのアソコみたい」ということで、必ずアワビが紹介されるということが共通点でございます。
「いまにたっぷり突っ込んでやっから」(『くいこみ海女 乱れ貝』)と地方色を出していたり、「あいかわらずええケツしとるの~」(『色情海女 ふんどし祭り』)と住職のセリフとは思えないセリフが飛び出すのも、特徴でございます

海女さんも、都会からやってきて海女さんになる方とか色々出てくるんですけど、海女さんが織りなすそうですね青春ドラマと言っても過言ではないんじゃないですかね。なんか今見るとちょっとキュンとするような青春がこの海女シリーズにはあるということで、ももう戻ってこない青春をあなたもご覧になってはいかがでしょうか。
色情海女 乱れ壷』(1976年)
潮吹き海女』(1979年)
色情海女 ふんどし祭り』(1981年)
くいこみ海女 乱れ貝』(1982年)
※各作品はFANZAをはじめする動画配信サービスにて配信中です

次回は「夫人」シリーズをご用意しましたので楽しみにお待ちください。それでは次回まで皆さんも楽しいグレイト余生を!



 衛星劇場では、サブカルの帝王みうらじゅんが、お勧めのロマンポルノ作品を紹介するオリジナル番組「みうらじゅんのグレイト余生映画ショー in 日活ロマンポルノ」を放送!

※人気コーナー「みうらじゅんのグレイト余性相談室」では、皆様から性のお悩みや、疑問を大募集



出演・構成 みうらじゅん
プロデューサー 今井亮一
ディレクター 本多克幸
製作協力 みうらじゅん事務所・日活

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