毎月、衛星劇場にて放送されている、みうらじゅんがロマンポルノ作品を毎回テーマごとに紹介する
「グレイト余生映画ショー in 日活ロマンポルノ」。
ロマンポルノ誕生50周年、番組誕生10周年を迎えるにあたって、過貴重な番組アーカイブから、公式書き起こし。(隔週更新予定)
衛星劇場を含む最新の放送情報などはテレビのページよりご確認ください。
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第17回「ザ」
第17回「タイトルの冠に「ザ」が付く作品」
■2013年5月放送
どうも、みうらじゅんと申します。「グレイト余生映画ショー in 日活ロマンポルノ -民俗学入門-」、略して「グロミン」ですね。今回のテーマは【タイトルの冠に「ザ」が付く作品】を紹介したいと思います。「ザ・ダイソー」(※2019年3月以降は「ダイソー」に店名変更)みたいな感じです(笑)。
その時、股間がうずいた... 今宵の教材は、究極の冠言葉「ザ」! 『ザ・コールガール 情痴の檻』。マニアをくすぐるたった一文字のアイデンティティ、その絶対的な存在感に迫る!焦らしてばかりじゃつまんない...。小細工なしの直球勝負...。その瞬間から新たな歴史が始まる...。
さぁ、冠に「ザ」が付く映画とは何でしょうか? 年代的には1970年後半から80年代に、「ザ」が付く映画が増えました。街中でも「ザ」がブームになりまして、ぼくもその頃、街中に「ザ」が付くもの集めようと思って、写真を撮ったことがあるんですが、ちょっと私の写真集から見てくださいね。(「写真集 アイノカテゴリー」 写真・著:みうらじゅん を出す)。
こちら、「ザ・おしり」、なぜ、おしりに「ザ」がいるのかということですよね。こっちは「ザ めし処」、おしりと同じ調子で「ザ」が付いているでしょ? 「ザ☆七五三」、間に☆が入るのも全然意味がわからないすよね...。
「ザ☆お中元」、「ザ・どん」、「ザ・うしくぼ」、「ザ・リッチ」、「ザ・木」って、これはないでしょ(笑)。ザとくりゃ、そこはウッドじゃないですかね。「ザ・きのこ」、この本、全然売れてないですけどね、いっぱい並んでいますね。これびっくりしましたね「THE・城島」、個人のTHEですよね。個人なのになぜかバンド名みたいになっているということです。
「ザ」が付くと、昔はたいがいバンドでしたからね。ビートルズだって「THE BEATLES」、ストーンズだって「THE ROLLING STONES」、なぜかそんな「ザ」が復活して日活ロマンポルノまで至ったのか?ということですよね。
■民俗学入門 みたいジャンルがすぐ見つかる!
THE SELECTION OF 「ザ」
ちょっと調べてみました【「ザ」 セレクション in 日活ロマンポルノ】を見ていきましょう。(フリップをだす)
『実録色事師』と来たら→「ザ・ジゴロ」ですよ『実録色事師 ザ・ジゴロ』
「拳を呑みこめ」となるとピンときた人もいるでしょう「ザ・フィスト」(『ザ・フィスト 拳を呑みこめ』)
『ザ・〇〇 -夫婦生活篇-』これわからないでしょう?夫婦生活に「ザ」が付くものとすると「本番」ですよね(笑)。そうですよね、夫婦生活は基本、本番でいいんですものね。(『ザ・本番 -夫婦生活篇-』)
『制服処女 ザ・○○○』ときたら→「えじき」だってね(笑)。こんなの入試にはでないですから覚えなくていいですよ。(『制服処女 ザ・えじき』)
その他にも『ザ・絶頂感(アクメ)』『ザ・出産』...(笑)。「近々うちの嫁、ザ・出産なんだよなぁ」とか言いませんからね(笑)。
『ザ・○○○○○○ 快楽調教篇』→「ONANIE」でもここ最初が母音ですから「ジ」ですよね(笑)。(『ザ・ONANIE 快楽調教篇』)
『ザ・○○○○ 令嬢篇』と来たら、「ピストン」ですよね。ピンときましたよね(笑)。(『ザ・ピストン 令嬢篇-』)
『ザ・極<○○○>致』→「きわみ」だって...これじゃ酒の銘柄みたいですね。もっとあるんですよ、この時期たくさん作られた「ザ」のシリーズでございます。(『ザ・極<きわみ>致』
今回上映するのは、『ザ・コールガール 情痴の檻』でございます。
■お兄さん寄ってかない?『ザ・コールガール 情痴の檻』
どんな映画かを手短に説明したいと思います。ちょっと待ち時間長かったもので、しっかり絵を描いてきました。
まず最初のシーンで、美容室が出てきます「デザイン・パーマ」って書いてあります。今はあまり使わない言葉ですけども。主人公は、理髪店の見習いの人ですかね? いきなり出てくる男は、ブルース・リー・カットをしておりますから。多分、これは『ドラゴンへの道』の時のカットだと思いますね。当時流行りましたからね。ブルース・リー・カットに気を付けて観て下さい。
■今夜から使えるラブワード 『ザ・コールガール 情痴の檻』 名台詞
この作品の名セリフを二つばかりちょっと描いてみました。勃ちの悪くなった主人と奥さんがやるシーンで、「今夜はうまくいきそうだぜ」。奥さんの手を引いて股間に手を持っていく。「今夜はうまくいきそうだぜ」って、「だぜ」って小粋に言ったつもりでしょうね。
そしてさすがのタイトル通り、コールガールが出てきます。「タバコ持ってない?バナナだったら持ってるでしょ?」 こんな言葉で誘われるって、どうなんですかね?初めて知った誘い文句でした。時代を反映する言葉の面白いシーンがほかにもありますので、民俗学的にも優秀な作品だと思われます。
それでは、今月の4作品を紹介いたします。
『ザ・コールガール 情痴の檻』
1978年製作、松永てるほさん主演でございます。
『女子大生 ザ・穴場』
1981年製作、寺島まゆみさん主演でございます。
『ザ・夜這い』
1985年製作、ここでも出ました夜這い。城源寺くるみさん主演でございます。
『ザ・破廉恥』
1986年、秋本玲さん主演でございます。
※各作品はamazon、FANZAをはじめする動画配信サービスにて配信中です。
それではあなたもグレイト余生を!
衛星劇場では、サブカルの帝王みうらじゅんが、お勧めのロマンポルノ作品を紹介するオリジナル番組「みうらじゅんのグレイト余生映画ショー in 日活ロマンポルノ」を放送!
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