釜山国際映画祭『ジムノペディに乱れる』ワールドプレミア上映で、韓国映画界の鬼才キム・ギドク監督が本作を大絶賛!
28年ぶりに復活するロマンポルノに行定勲監督が挑んだ最新作『ジムノペディに乱れる』が、【第21回釜山国際映画祭 ミッドナイトパッション部門】へ正式招待され、ワールドプレミアとなる公式上映が行われました。
現地日程10/6~15まで韓国・釜山で開催される第21回釜山国際映画祭「ミッドナイト・パッション部門」に正式招待された行定勲監督初のロマンポルノ作品『ジムノペディに乱れる』は、今年で製作開始から45周年を迎える日活ロマンポルノ【45th ロマンポルノリブートプロジェクト】の一環として製作された作品。本プロジェクトでは、行定勲監督のほか塩田明彦監督、白石和彌監督、園子温監督、中田秀夫監督ら第一線で活躍する監督陣による完全オリジナル新作を、28年ぶりに発表します。
先日行われた第69回ロカルノ国際映画祭で塩田明彦監督作品『風に濡れた女』が、ロマンポルノとして初めて国際映画祭のコンペティション部門へ招待され、《若手審査員賞》を受賞し、国内外から注目が集まっています。
10/7、映画祭のオープンステージでは監督・キャストを迎えてのトークイベントが行われ、またミッドナイト・パッション部門でのワールドプレミアとなる公式上映には、3階まで席がある840名収容の劇場を満席にする観客が訪れ、韓国でも人気のある行定勲監督の最新作に期待するファンの熱気に迎えられ、舞台挨拶を行いました。
韓国では、今年5月に日活ロマンポルノをメインのプログラムとした「ロポクラシックフィルムフェスティバル」と呼ばれる特集上映が行われました。性的な表現や規制に厳しい韓国で、初めて大々的に行われたロマンポルノの特集上映ということで、韓国国内でも大きな話題となるなどロマンポルノ自体にも注目が高まっていることもあり、トークイベントや公式上映の会場には熱狂的な映画ファンが集まり、大盛況となりました。
公式上映には、キム・ギドク監督、映画プロデューサーのアン・ドンギュ氏など韓国映画関係者が来場。本作を鑑賞した、キム・ギドク監督は「10分に1度、濡れ場を入れなければいけないルールがあったそうですが、全く飽きさせず美しい物語に仕上がっていると思いました。芦那すみれさん、岡村いずみさんほか女優陣は、女性がもつエネルギーを感じさせられるキャラクターでとても好感をもちました。日活ロマンポルノのことは知っています。とても面白い企画ですよね。もし機会があれば監督をしてみたいです。」と本作を絶賛し、ロマンポルノを監督することへの意欲も示されていました。
公式上映では、本作のほか同映画祭に招待されている、塩田明彦監督『風に濡れた女』、中田秀夫監督『ホワイトリリー』も上映され、ロマンポルノ開始当時の1970年代に行われていた3本立ての公開形態で上映されました。早朝4時まで続いた上映会中は、常時、笑いやどよめきが起き、観客は今回のロマンポルノリブートプロジェクトで作られた新作の多様性を楽しんでいました。
◎ワールドプレミア上映/舞台挨拶コメント
行定勲監督 コメント
アンニョンハセヨ。今年も無事釜山に来ることができて、うれしく思っています。客席をみるとキム・ギドク監督や、映画プロデューサーのアン・ドンギュさんが観てくれているようですね。ロマンポルノは70年代~80年代にあった映画レーベルのひとつで、10分に一度セクシャルなシーンがあれば基本何をしても良いという自由さは、今も表現者たちに大きな影響を与えています。その現代版として、今回リブートされました。僕は『ジムノペディに乱れる』で、ポルノではなく官能的なラブストーリーを撮ったと思っています。
板尾創路さん/映画監督 古谷役 コメント
アンニョンハセヨ、板尾創路です。古谷という映画監督役でこの作品に出演しました。セックスシーンが多い作品ですが、素晴らしいラブストーリーになっているので特に女性に見て頂きたいと思っています。かなりモテるキャラクターなので、演じるうえでは女性の母性本能をくすぐるにはどうしたらいいかということを研究しました。
(演じるうえで、映画監督・古谷と監督・行定勲のつながりを意識したか、と聞かれ)
監督は、僕をイメージして脚本を書いてくれたと思うのですが、僕は、たぶん監督をイメージして演じていたんじゃないかと思います。往年の俳優さんたちにずっと、成人映画の仕事がきたらやっておけと言われていたので、今回のオファーを受けたときはすぐにこの作品に参加しようと決めました。僕は韓国映画が大好きで、その韓国の地でワールドプレミア上映ができて光栄です。
芦那すみれさん/結花役 コメント
去年は観客として、この映画祭に参加していましたが、今年は女優として参加することができてとても嬉しいです。私は人間の本質を描く上で、性の描写はとても重要な要素だと思っています。このロマンポルノリブートプロジェクトを通して、もっと自由な表現が広がることを期待しています。
※流暢な韓国語で挨拶されていました。
岡村いずみさん/安里役 コメント
私も一肌脱いでこの作品に参加させて頂きましたが、すごく綺麗に撮って頂いてとてもうれしいです。この作品には、女性の美しさが表現されていると思います。初めての映画祭で、3階席までお客さんが埋まっていてとてもうれしいです。
第21回釜山国際映画祭「ミッドナイトパッション部門」 現地日程 2016/10/6~15
映画の復興と芸術への理解を深めることを目的に1996年に創設。以後、急速に規模を拡大しアジア最大級の国際映画祭へと成長を遂げ、本年度は69ヶ国299作品(うち122本がワールドプレミア上映)が上映予定。
『ジムノペディに乱れる』11/26(土)新宿武蔵野館ほか順次公開!