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監督：上垣保朗

キャスト：中村晃子、浅野なつみ、柄沢次郎、亜湖、中西和久、花柳幻舟(特別出演)、高橋長英

脚本：荒井晴彦

音楽：篠崎耕平/(選曲)伊藤晴康

その他スタッフ：原作／高橋揆一郎　撮影／安藤庄平　照明／木村誠作　録音／細井正次　美術／中澤克巳　編集／冨田功　助監督／萩庭貞明

【解説】（当時のプレス資料より）

　一度は別れたはずの夫が突然訪ねてくる。おりから近付いていた台風と時を合わせたようにやってきた男は女の心に少しずつ入り込み、まるで甘い蜜のようにセックスをちらつかせながら復縁を迫る。女の心は激しく揺れ、そして徐々に掻き乱されていく。

　山間の小さな町に台風が来て行き過ぎるまでの数日の間におこる、男と女の心理的な駆け引き心の揺れを、なにもかもが濡れ、押し流されてしまう自然のダイナミズムと重ね合わせながら丹念に描いてゆく文芸エロス大作。

　主演は歌手として女優として妖艶な大人の色気で多くのファンを魅了し続けてきた中村晃子。成人映画には初挑戦ながらその熟れきった肢体を思いきりよく大胆に披露してくれる。また共演の夫・長吉役として個性派俳優高橋長英が中年男特有の狡猾さと哀愁を魅力たっぷりに好演。そして前者と対照的に若くフレッシュなカップルを浅野なつみと柄沢次郎のコンビがいきいきと演じている。なお、浅野なつみは八十五年四月公開の一般映画「みんなあげちゃう」のヒロイン悠乃役としてオーディション・デビュー。アイドルから女優へ大きなステップを賭けて本篇に出演した。

　原作は七十八年「伸子」で芥川賞を受賞した高橋揆一郎の短編「雨ごもり」。監督は「ピンクのカーテン」シリーズで美保純を、最近では「部長の愛人」で水島裕子を担当して、女優の持ち味を十分に引き出すことにかけては定評のある上垣保朗。連日、雨ネライ曇天ネライという映画では珍しい撮影条件のなか上垣持ち前のセンスとガッツ、それに本物の台風をロケ地・静岡上空に呼び込んでしまう強運、また安藤庄平の的確なカメラアイにも恵まれて十九日間オールロケーションの本篇は無事完成した。

【動画配信】 [DMM]、[GyaO!]

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