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1983年7月22日 公開

  • 性的犯罪

    主演
    風祭ゆき
    出演
    三東ルシア/美野真琴/河原さぶ/草薙幸二郎/佐藤幸彦/森みどり/三谷昇
    監督
    崔洋一
    脚本
    三井優
    その他
    スタッフ
    企画/成田尚哉 プロデューサー/村井良雄 撮影/野田悌男 照明/矢部一男 美術/木村威夫 録音/伊藤晴康 編集/山田真司 助監督/加藤文彦  挿入歌:「逃げろ」アナーキー
    解説
    この年、
    この種の異常な性的事件は、
    かつてない件数を記録した―。

    あらすじ
    ■解説
    『月はどっちに出ている』等の崔洋一監督がロマンポルノに残した実録風エロス作品。 ロマンポルノは最後のプログラム・ピクチャーとして17年に渡る歴史の中で様々な作品を生んだが、撮影所のスタッフで制作する作品をメインにしながら、特に80年前後からは撮影所外のスタッフの起用による企画制作を展開した。本作では『十階のモスキート』でデビューしたばかりの崔洋一監督を積極的に起用した。崔監督のフィルモグラフィーの中でも特筆すべき作品となっている。
    九州で実際に起こった事件「保険金替玉殺人事件」を元にしたリアルな題材。多額の借金を抱える若い工場経営者が妻と愛人三人で保険金替玉殺人事件を起こす顛末を描いている。妻と愛人との三角関係、同居、逃亡、替玉殺人、といったリアルなエピソードを日本映画特有の暗く湿ったテイストに陥らず、軽妙にどこかしらコミカルな切り口でとらえ、後に数々の受賞作品を生んだ崔洋一監督がそれまでのロマンポルノとは違った作風で新鮮な風をもたらしている。風祭ゆきと三東ルシアが事件の中心となる妻と愛人を演じている。出演は他に河原さぶ・美野真琴・草薙幸二郎・三谷昇他。

    ■ストーリー
    藤森は解体屋・藤森工業KKの2代目社長だ。まだ若いが、兄の勝二、弟の文彦や数人の従業員とのチームワークをしっかりと作り、業者との調整をそつなくこなして精力的に働いていた。陽気に働く一方で、事務員の中村豊子と関係していた。妻の須磨子はスナックを経営していた。
    ある日、二人の従業員が作業中の事故で死に、補償金問題で会社は経営危機を迎える。兄弟は責任転嫁しあって全く頼りにならない。更には借金のかたとして債権者の八重垣に工場のトラックや機械を持っていかれてしまった。従業員への給料支払いも滞り苦しい生活に追い込まれた。藤森は豊子にも金を無心すると、彼女は見返りに藤森の家に同居させて欲しいと申し出る。妻妾同居の奇妙な共同生活が始まった。八重垣の催促は激しさを増し、三人はやむなく夜逃げをすることにした。ラブホテルを泊り歩き川の字になって眠り、三人で肉欲を貪り合った。しかしそんな逃亡生活にも疲れ、深夜再び自宅に舞い戻り風呂に入る。逃亡生活を共にすごしたためか、須磨子と豊子の間には不思議な親密感が生まれていた。 勝二は三人の行方を知らせるように頼まれていた八重垣に、彼らの帰宅を知らせる。事態は収まらずまだ深刻だった。そして、藤森の死が報じられた。その裏には、替玉殺人の計画があった…。

    (2023年9月6日 DVD発売)
    販売・配信

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