1972年7月19日 公開
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隠し妻
- 主演
- 片桐夕子
- 出演
- 吉田潔 /清水国雄 /葵三津子 /椿真由美 /浜乃浩子
- 監督
- 小沼勝
- 脚本
- 白鳥あかね
- その他
スタッフ - 撮影/萩原憲治 照明/高島利隆 録音/橋本文雄 美術/桜戯苛(若松正雄) 編集/辻井正則 助監督/岡野敬
- 音楽
- 真田勉
- 解説
- この愛だけが、私を燃やす…
ただひたすら、激しい愛撫を求めて
けなげに生きる、夕子の青春! - あらすじ
- ■解説
初期ロマンポルノのトップ女優・片桐夕子が主演し、人気がブレイクした傑作エロス作品。
ロマンポルノが創設された際、成人映画のヒロインとなりうる女優を確保することは簡単ではなかった。白川和子・宮下順子・谷ナオミといった人気女優は、ピンク映画ですでに実績を積んだ「即戦力」として日活ロマンポルノ女優に参入した。成人映画に出演することは現在とは異なるレベルでの高いハードルが存在していた。片桐夕子はロマンポルノ以前の日活で大部屋俳優として活動を始め、ロマンポルノの創設により主演女優として抜擢された。親しみのある笑顔、均整の取れたプロポーションと脱ぎ惜しみしない大胆な演技で魅力開眼、高い人気を得てトップ女優としてロマンポルノを支える存在となった。本作では登り坂をかけあがっていく片桐夕子の魅力がいかんなく発揮されている。
東北の漁村で育った純粋な少女が集団就職で上京、都会の片隅で「隠し妻」としてささやかな幸せを追い求める、片桐夕子ならではの設定となっている。ボロキレのように男たちにあしらわれながらも、切なく明るく逞しく、美しい身体を張って前向きに生きていく、時代を担うような日活ロマンポルノのヒロインとして片桐夕子を演出しているのはロマンポルノの巨匠・小沼勝監督。本作が初コンビとなり、その後公私に渡る名コンビとして活躍する序章となった作品。
■ストーリー
"東北の貧しい漁村で育った夕子には、東京に下宿している大学生の恋人・和夫がいた。夏休みに帰省してきた和夫と夕子は、村の夏祭りの日に結ばれた。二人は東京での再会を約束した。月日が経って夕子は集団就職で上京し、スーパーの売り子として東京での生活を始めた。休日に和夫と再会してデートを楽しむが、和夫の心はすでに夕子から離れていた。夕子の心は弾まず、むなしい時間を過ごした。
ある日、テレビタレントの内藤草太郎が買い物にやって来た。人気タレントを間直にして、夕子はどぎまぎして憧れる。和夫からデートを断られて一人で街を寂しくさまようと、和夫は他の女と楽しそうにしていた。そんな夕子に草太郎が声をかけ、寂しさから夕子は草太郎の胸に飛び込んでいった。草太郎にとっては一夜の情事に過ぎなかったが、夕子の純真さに魅かれ二人は同棲することになった。しかしその生活は、夕子は誰にも会わず、草太郎の浮気を認め、結婚はしないという、「隠し妻」の生活だった…。
そんな生活も夕子にとっては幸せな日々だった。新婚同様の生活、そんな日々も長くは続かない。草太郎の恋人マキがやってくる、二人の愛撫。夕子はトイレに身を隠す…。
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