1988年8月27日 公開
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悪徳の栄え
- 主演
- 李星蘭
- 出演
- 寺田農 /清水紘治 /石橋蓮司 /牧野公昭 /米沢美知子 /木築沙絵子 /前原祐子 /佐野史郎 /原保美 /中島葵
- 監督
- 実相寺昭雄
- 脚本
- 岸田理生
- その他
スタッフ - プロデューサー/伊藤秀裕 原作/マルキ・ド・サド 撮影/中堀正夫 照明/牛場賢二 美術/池谷仙克 編集/井上治 助監督/北浦嗣巳
- 音楽
- 松下功
- 解説
- 神、肉を恵み給う。
そして、悪魔、料理人をつかわしむ。
狂気、エロス、退廃、実相寺エロスワールドが蘇る! - あらすじ
- ■解説
『ウルトラ・シリーズ』や『帝都物語』など、オリジナリティ溢れる独特の映像世界で熱狂的なファンを生んだ実相寺昭雄監督。カルト的作家でありながら、ジャンルや世代を超えた巨匠として支持され活躍は多岐にわたったが、元々はTBSのディレクターから始まった実相寺が積極的に取り組んだのは、エロス・官能をテーマにした企画だった。特に映画ではATG映画を始めとしてエロティックな題材がメインテーマとなり、多くのアダルトビデオを好みAV評論を書き、果ては「アリエッタ」等のアダルトビデオの監督も行った。本作は実相寺昭雄が人生をかけて追いつづけたエロス世界の集大成として、ロマンポルノ終焉後の日活の新レーベル「ロッポニカ」で作り上げた、衝撃のカルトエロス大作!
取り上げたのはマルキ・ド・サドの『悪徳の栄え』。歴史的原作をモチーフとして、大胆な解釈によりエロスと狂気と退廃に満ちた脚本を岸田理生が書き上げた。劇中劇の多層構造、虚構と現実、食と性、練り上げられた脚本の下に、中堀正夫の撮影、牛場賢二の照明、池谷仙克の美術、等手練れの実相寺組スタッフが結集、究極の実相寺エロスワールドを完成させた。
■ストーリー
昭和10年、秋の一夜。不知火候爵の家では宴が開かれていた。客は財閥の首魁・花輪相平、大審院の裁判長・湯神首男、女伯爵・玉伏森子。鶉を猥雑に貪リ食っている様子を当主の不知火候爵が無表情に眺めていた。周りでは十代前半の、裸身に小間使いエプロン姿の給仕少女たちが性奴と化していた。候爵夫人の珠江もエプロン姿で焼き上がったばかりの鶉の大皿を運んできたが、待たせた罪で不知火に鞭打たれる。参加者は最近の悪徳を報告し合っていた。皆が犯罪者だった。そして白縫劇団の劇団員であった。
今はマルキ・ド・サド原作の「悪徳の栄え」の稽古に励んでいた。劇中、悪徳の女・ジュリエットに扮した珠江がサンファン大公役の花輪を鞭打つ。ジュリエットが何故自分が悪徳の道に走ったかを語った。
泥棒ドルヴァル役の新人・犯は候爵の命令で珠江を犯し、小学校校長を毒殺した。
候爵扮するノアルスイユはジュリエットの父親を破産させて死に追いやるが、現実には両親を失くして娼婦となった珠江を、候爵が妻にしたといういきさつがあった。
白縫劇場でシモン夫人役の女優が射たれた。舞台上で本当に射殺されたのだ。侯爵の台本にはないことだった。候爵は珠江と犯が情を通じ合っているのを知って嫉妬する。
珠江が台本にない芝居をして候爵を狼狽させる。そんな珠江に対して森子は腹を立てた。珠江の目の前で犯を凌辱する。。
犯が殺人犯として逮捕され、珠江は候爵に助けを求め、悪徳の女・ジュスティーヌと二役することになった。居間で抱き合う全裸の犯と珠江を候爵の刃が貫くー。
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