作品データベース

1967年6月15日 公開

  • 花を喰う蟲

    主演
    太地喜和子
    出演
    二谷英明 /小高雄二 /花ノ本寿 /郷鍈治 /太田雅子(梶芽衣子) /月丘千秋 /清水将夫 /浜村純 /深江章喜
    監督
    西村昭五郎
    脚本
    中島丈博
    その他
    スタッフ
    原作/黒岩重吾 企画/仲川哲朗 撮影/安藤庄平 照明/吉田協佐 録音/片桐登司美 美術/千葉和彦 編集/辻井正則
    音楽
    山本直純
    解説
    憎しみも歓びも、官能の袖にめくるめく第二の性!
    強烈!大胆なタッチで女の愛と性と描く
    黒岩文学の異色問題作!!

    あらすじ
    ■解説
    ロマンポルノ前夜の日活成人映画「プレロマンポルノ」シリーズ!
    日活ロマンポルノは1971年に始まり、日本最古の映画会社の成人映画への転身は社会的な話題となり新しい歴史を作っていくが、日活ではロマンポルノ以前にも成人指定の映画や、成人向けの内容を題材とした映画は作られていた。ロマンポルノとは違った魅力を持つ作品も少なくない。中にはロマンポルノを予見する作品やロマンポルノ以上に見どころの多い作品も多数存在している。鈴木清順監督の『殺しの烙印』もそういった一本である。「プレロマンポルノ」シリーズでは、ロマンポルノスピンオフシリーズの新枠として新たな視点からお宝的作品をリリースする。

    本作は黒岩重吾の原作を映画化した成人指定作品。「食うか、食われるか、煮えたぎる男と女のセックスと欲望が渦巻く地獄絵図の中に、赤裸々な生態と強烈な人間性を描いて肉と魂を讃美する」(プレス)、という衝撃作。

    脚本はその後ロマンポルノ作品から日本映画を代表する多くの作品を手掛ける国民的作家となる中島丈博。この作品に関して「この映画はベッドシーンの表現の押しさえあれば、そのままロマンポルノに置き換えてもよいくらいのエロ度で、(西村)昭五郎さんが後年この分野で活躍するセンスを伺わせるに充分なものがある(月刊シナリオより)」と記している。監督は『団地妻 昼下りの情事』でロマンポルノの幕開け監督となる西村昭五郎。撮影安藤庄平や音楽山本直純など、まさにロマンポルノ前夜の問題作といえるだろう。出演は二谷英明・太地喜和子・小高雄二・ 花ノ本寿・郷鍈治・太田雅子(梶芽衣子)。太地喜和子の大胆な露出と演技に目を見張る。鈴木清順監督の『殺しの烙印』との併映で成人指定公開された衝撃作。

    ■ストーリー
    横浜を根城にしている不良女工の青木奈美は、仲間の隆やユキ、亀公と遊び惚けていた。退屈しきって刺激を求めて、黒人に喧嘩を売って警官に追われたが、奈美は中年紳士の香本に助けられた。あどけない美貌にちらつく小悪魔的な影、カモシカのような肢体、奈美に興味を引かれた香本はホテルに連れ込みながらも、なぜか指一本触れずに立ち去った。「金をつかんで、より美しくなって、えらくなりたいなら俺のところに来い」、その言葉に奈美は魅せられてしまう。数か月後、香本の手でチャームスクールに通い、洗練されて見違えるように美しくなった奈美は数々の美人コンテストの栄冠を勝ちとっていった。香本の思惑通りだった。コンテストでは最高の権威とされる「海の女王」の栄冠を得るべく、香本は奈美を審査委員長の佐伯に近づけた。奈美は女王の栄冠を勝ち取った。その夜、香本ははじめて奈美を抱いた。奈美は歓びに震えて応えた。隆は高嶺の花となった奈美に面会を求めるが、奈美は逃げてしまった。
    ある日、香本はヨットに奈美を呼ぶ。奈美の求愛をなぜか退けると、突然8ミリを上映する。男と女が絡み合っている。男は隆だった。驚く奈美、いつの間にか香本と入れ替わった佐伯が情欲に燃えた目で見つめていた。画面の女は香本の前妻で、五井産業社長五井の内妻・絹子だった。香本は五井に走った絹子への復讐のために、絹子の男漁りを隠し撮っていたのだ。ある日、香本は五井に取り入る政治家・斎村に奈美を抱かせ、それを8ミリに撮った…。

    (2023年7月6日 DVD発売)
    販売・配信

一覧へ