みうらじゅんのグレイト余生映画ショー
in 日活ロマンポルノ アーカイブ

毎月、衛星劇場にて放送されている、みうらじゅんがロマンポルノ作品を毎回テーマごとに紹介する
「グレイト余生映画ショー in 日活ロマンポルノ」。
ロマンポルノ誕生50周年、番組誕生10周年を迎えるにあたって、過貴重な番組アーカイブから、公式書き起こし。(隔週更新予定)
衛星劇場を含む最新の放送情報などはテレビのページよりご確認ください。

これまでの記事はコチラからご確認ください。



第5回「アイドル」

どうも、みうらじゅんと申します。第5回目となりました「グレイト余生映画ショー in日活ロマンポルノ」。今回のテーマは「アイドル」ということでお送りさせていただきます。
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前回、前々回と、上野にあるオークラ映画館の客席から解説させていただきましたが、ここは劇場入ってすぐのところ入場券を売っている所からお送りします。ロマンポルノの上映当時は劇場前の小窓で券を買ったものですが。なかなか勇気がいったもんです。と、いうか僕、その頃、高校生だったもので(笑)。「大学生一枚!」って嘘をついてね。きっと、おばちゃんも気づいてたんだろうけど、おおらかな時代でございました(笑)。
今回はアイドルがテーマです。元アイドルが日活ロマンポルノで...という二度美味しい特集でございます。

今回のテーマは男たちの永遠の恋人「アイドル」。社会現象まで巻き起こした真夜中のシンデレラが大集合。可憐なFACE弾けるBODY。夢にまで見たあの子のユートピアが今ここに!
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■今月の厳選アイドル
後から前から
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まずは、お一人目。畑中葉子さんです。「後から前から、どうぞ」って歌われてたシングルレコード(「後ろから前から」(1980年発表))、今でも持っています(笑)。
この映画を二倍楽しむためには、清純なアイドルをされてた頃を思い出してもらうのが一番でしょう。ですんで、私のレコードアルバムの棚から持ってきました。「カナダからの手紙」(1978年発表のレコード)。この曲で歌手デビューされたんですよね。1978年ですから、もうスケベな大人になっていました(笑)。それから『愛の白昼夢』(1980年)にて、日活ロマンポルノにデビューされたという経路です。このギャップが、何とも男心を奮い立たせるでしょ。だから、皆さんは『後ろから前から』を観る前にもう一度、「カナダからの手紙」を聴き直して見て下さいね。

■今月の厳選アイドル
女教師 生徒の眼の前で
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次の元アイドルは三東ルシさん。『女教師 生徒の眼の前で』。グッとくるタイトルでございますね。
三東ルシアさんといえば、キャンディやホーローバスのCMで有名でしたね。レコードもたくさん出しておられ、デビュー曲の「危険な春」(1975年発表)はまだ持っています。カワイさの中に色気があった。週間プレイボーイのオナペット人気投票で1位にもなられていますよ。それが日活ロマンポルノに繋がったんでしょう。僕も大変、お世話になりました。みなさんはチャック開けて待っていて下さい。グッとくる作品でございます。

■今月の厳選アイドル
魔性の香り
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次は、天地真理さん。もうアイドル中のアイドルの方でした。70年代の初頭には天地真理さん、小柳ルミ子さん、南沙織さんと三人娘が大活躍。テレビで見ない日はなかったと思います。でも、真理ちゃん。その後、ヌード写真集をお出しになってね。僕も買いました(笑)。そして、日活ロマンポルノの『魔性の、香り』に繋がるわけです。何せ、白雪姫って呼ばれたんですよ。大事件だったことは間違いありません。

■今月の厳選アイドル
ルナの告白 私に群がった男たち
次は、高村ルナさん。いやぁ、大好きでした。
この作品は1976年の作品。元アイドルの作品はだいたい80年代に撮られてますから、日活ロマンポルノ作品としては走りじゃないですかね。高村ルナさん、どういう方か、ちょっと私が絵にしてきました。
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ゴールデン・ハーフという四人組のグループで活躍されていました。元々は五人組で、デビュー曲の「黄色いサクランボ」という歌を出した頃は石山エリーさんって方もおられたことを覚えています。確か、この方のお父さんはタイ人でした。「おんなの弱点教えます」(1970年発表)というレコードから、エリーさんが脱退されて4人になったんじゃないかな。マリア・エリザベスさんはアメリカ人のお父さんを持つ方。エヴァさんはスペイン人のお父さんでした。ドリフターズの「8時だョ!全員集合」でいい味のキャラを打ち出されていました。小林ユミさんはイタリア人の父親でしょ...こんな情報いります?(笑)そして今回の高村ルナさんはお父さんがドイツ人だそうですね。グループが解散してからルナさんは日活ロマンポルノの『修道女ルナの告白』という作品に主演されます。その次作が『ルナの告白 私に群がった男たち』となったわけです。だから、1976年はもう大騒ぎの年でございました(笑)。オープニングは須藤甚一郎(元・芸能レポーター)が出てきたりしてね。ルナさんが芸能性生活を赤裸々に暴露するという、ドキュメント映画の仕上がりになっています。何せ、副タイトルが"私に群がった男たち"ですから。何せルナさんがイケてますから、今見てもグッとくる一本だと思います。

それではアイドルの4作品を改めて紹介します。

後から前から
女教師 生徒の眼の前で
魔性の香り
ルナの告白 私に群がった男たち
※各作品はFANZAをはじめする動画配信サービスにて配信中です
さて、次回第6回は日活ロマンポルノの「とんでもタイトル」作品を特集したいと思います。それではみなさんもグレイト余生を!

■クレジット
出演・構成 みうらじゅん
プロデューサー 今井亮一
ディレクター 本多克幸
製作協力 みうらじゅん事務所・日活


 衛星劇場では、サブカルの帝王みうらじゅんが、お勧めのロマンポルノ作品を紹介するオリジナル番組「みうらじゅんのグレイト余生映画ショー in 日活ロマンポルノ」を放送!

※人気コーナー「みうらじゅんのグレイト余性相談室」では、皆様から性のお悩みや、疑問を大募集

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