映画『牝猫たち』2017.1.14(土)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開。眠らぬ街。3人の女。職業・風俗嬢。寄り添いあう“牝猫たち”は、お互いを店の名前で呼び合うだけで、本名も、働く理由も知らないー

作品紹介 - INTRODUCTION

“いま”という時代を生き抜く力強さに、心打たれる群像ドラマ。

『凶悪』(14)、『日本で一番悪い奴ら』(16)に続く、白石和彌監督の最新作はオリジナル脚本で挑むロマンポルノ。現代社会を逞しく生きる女性のいまをジャーナリスティックな視点で捉え、名匠・田中登監督のロマンポルノ作品『牝猫たちの夜』(72) にオマージュを捧げている。主人公・雅子を演じるのは、気鋭の女優・井端珠里。2歳でキッズモデルとしてデビューし、『眠れる森』(98、CX)では中山美穂の子供時代をつとめ、その後俳優として映画、ドラマ、舞台などでキャリアを積む。約10年前、白石は、助監督としてついた『17歳の風景』(05)の撮影時に、井端を師匠・若松孝二監督に推薦。10年後の再会で運命的なものを感じ、今回主演に抜擢している。井端は、濡れ場にも果敢に挑戦し、本作が映画初主演となった。
このほか物語の軸となる登場人物として、雅子の仕事仲間でシングルマザーの結依を、これが女優として2本目の映画作品となる真上さつきがフレッシュに演じ、主婦でありながら風俗嬢として働く里枝を、『インプリント~ぼっけえ、きょうてい~』(06)で鮮烈なデビューを果たした女優・美知枝が、艶やかに演じている。 そして、彼女たちを取り巻く男たちに、人気演劇ユニットTEAM NACSの音尾琢真が、『日本で悪い奴ら』に続いて出演し、主人公が働く風俗店の店長を軽妙に演じ、岩井俊二作品常連の郭智博がルックスと手堅い演技で脇を固める。さらに、お笑い芸人のとろサーモンの村田秀亮と久保田和靖が、地下活動をする売れない芸人役として出演しており、村田は、シングルマザーの結依の客として物語が展開する鍵を握っている。
また、本作では『牝猫たちの夜』に出演していた吉澤健も出演。さらに、ロマンポルノの女王・白川和子もSMクラブのオーナーとしてカメオ出演し、「若かったら主演をしたかった」と本作の脚本を絶賛している。

池袋の夜街を漂う3人の女。
呼び出された男たちと体を重ね、
そして、また夜が明ける―
都会の中で孤独を感じながら
颯爽と現代を生き抜く女たちと、
それを取り巻く男たちの物語。

キャスト & スタッフ - CAST & STAFF

井端珠里(雅子 役)

CHARACTER:雅子
池袋の風俗店「極楽若奥様」でなんとなく働いているワーキングプアの女。ネットカフェで寝起きする生活を送っている。

井端珠里(雅子 役)

1987年9月9日生まれ。東京都出身。2歳でキッズモデルとしてデビュー後、98年にCX「眠れる森」で女優デビュー。声優、歌手としても活躍している。近年の主な出演作として『ローリング』(15)、『グッド・ストライプス』(15)『走れ、絶望に追いつかれないはやさで』(16)、舞台「罠」(16)、『断食芸人』(16)など。

真上さつき(結依 役)

CHARACTER:結依
雅子の同僚。まだ若いが1児を持つシングルマザー。仕事を忘れすぐに態度にでてしまう。イケメンに惚れやすい。

真上さつき(結依 役)

1996年4月5日生まれ。滋賀県出身。女優を目指し、2万円を握りしめ上京。2015年より舞台「ヘンリー6世」(15)、舞台「2011・3・11ふるさとは今もかわらず」など舞台を中心に活動をはじめる。初めてヌードを披露し体当たりで挑んだ映画『アルビノ』(16)に続き、本作が2本目の長編映画出演作となる。

美知枝(里枝 役)

CHARACTER:里枝
雅子の同僚。主婦にも関わらず風俗嬢をしている。客の独居老人・金田に気に入られ、仕事でなく会えないかと頼まれるが…

美知枝(里枝 役)

福岡県出身。三池崇史監督が初めてアメリカ資本で製作した映画『インプリント?ぼっけえ、きょうてえ?』(06)で映画初出演。凄惨な拷問を受ける女郎、小桃を体当たりで熱演した。映画作品を中心に活動し、公開待機作として2017年1月21日に公開されるマーティン・スコセッシ監督『沈黙/サイレンス』などがある。

音尾琢真(風俗店店長・野中 役)

音尾琢真(風俗店店長・野中 役)

郭智博(引きこもりの男・高田 役)

郭智博(引きこもりの男・高田 役)

村田秀亮(とろサーモン)(お笑い芸人・谷口役 )

村田秀亮(とろサーモン)(お笑い芸人・谷口役 )

白石和彌(監督)

1974年、北海道生まれ。95年に中村幻児監督主催の映像塾に参加。以後、若松孝二監督に師事し、フリーの助監督として活動。若松孝二監督『明日なき街角』(97)、『完全なる飼育 赤い殺意』(04)、『17歳の風景少年は何を見たのか』(05) などの作品へ助監督として参加する一方、行定勲、犬童一心監督などの作品にも参加。初の長編映画監督作品『ロストパラダイス・イン・トーキョー』(10)に続き、長編第2作となるノンフィクションベストセラーを原作とした『凶悪』(13)が、国内の映画賞を席巻。『日本で一番悪い奴ら』がニューヨークアジア映画祭のオープニング作品として上映がされた。又吉直樹原作「火花」のNETFLIX配信ドラマの監督を務めている(3話、4話担当)。

白石和彌(監督)
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