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レポートその4 第2部トークショー 弐
〜「田中さん、寝てる場合じゃないですよ!」
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| ゲスト: |
小沼勝(監督)、田中登(監督)、小原宏裕(監督)、荒井晴彦(脚本家)、相米慎二(監督)、中原俊(監督)金子修介(監督)、じんのひろあき(脚本家)、中田秀夫(監督) |
| 司会: |
山本晋也 |
中原俊「とってもねえ、現場がタイヘンなんですよ。 帰って来たときに、『ああ、生きて帰れたなあ』って感じ。」
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| 山本: |
続きまして金子監督。今日『ラスト・キャバレー』が上映されます。
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ラストキャバレー('88)
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| 金子修介(監督): |
ロマンポルノの最後から2番目の番組なんですけど、まさかパンテオンでかかるなんて思わなかったですね。
僕このパンテオンという舞台は、東京国際映画祭なんかで立つことがありまして、かつて『新宿純愛物語』の併映で、『恐怖のやっちゃん』というあんまし当らなかった映画の時に、中村トオルと一緒に立つことがあったんですけど、絶頂期の中村トオルでもここは満員に出来なかったんですよ。
それが今日こんなに満員になってるって、これ不思議ですよねえ。(場内笑)
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| 山本: |
私も思うんですけど、粋なもんだとはいえねえ、ロマンポルノが終わって拍手することはねえと思うんですよ。
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ラストキャバレー('88)
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さっき後ろで見てて終わって拍手が湧いたのには驚きました。
金子監督このあと『ラスト・キャバレー』の反応が楽しみですね。
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| 金子: |
もう明け方になるんで、起きてていただきたいですよね。不安なんです。 |
| 山本: |
じんのさんは、ロマンポルノは何本やられたんですか。

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| じんのひろあき(脚本家): |
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ラストキャバレー('88)
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私はこの『ラスト・キャバレー』がデビュー作だったんです。
ロマンポルノで1番最後にデビューしたシナリオライターなんですね。
しかもこの作品はですね、10ナン年のロマンポルノの中で最低の興収といわれまして、全く入らなかったんです。 電気代も出ねえ!って言われました。(場内笑)
それが今日ここでやるんでビックリで、ホントに今日、このイベント大丈夫か?って言ってたんですよ。
特に若い女性が多いんで、ロマンポルノって需要があるんじゃないですかね。
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| 山本: |
さっき若い女性の方に話聞いたんです。25、6くらいの娘が「女がカッコいいですね」って言ったんです。
ロマンポルノ観て「女がカッコいい」って言うのに驚いて、つまりね作る側は女性にそんなこと言われようと思って作ってるつもりはさらさら無いじゃない。
ねえ、田中さん。女の娘に「カッコいい」って言われるとは思わないでしょ。
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| 田中: |
驚いたねこりゃ。(場内笑)
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| 山本: |
ね。おれも驚いた。
若い女の娘がロマンポルノを観て「女がカッコいい」。
これは僕らが予期しなかったことで、時代の流れだと思います。
小原さんはどんな感じでやられてました?
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| 小原宏裕(監督): |
僕は田中や小沼と同期なんだけど、作るものは水と油みたいに違って、『桃尻娘』なんかそうで 考えないってわけじゃないんだけど、わりと現場での雰囲気をすくいたいって方なんだ。
だから、キャメラマンなんかによく「田中さんは家でこのカットは何秒でどうやるか(撮影の)手をかなり練習させて臨んでくる、あんたは何も研究してこない」って怒られたりした。
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| 田中: |
これ小原特有のフィクションだからね。(場内笑) |
| 小原: |
ロケハンでもね、彼はキャメラマンより先に1回行っといて、どこから撮りましょうっていうと田中が先にササって行って、ここから撮りましょうって言うらしい。
キャメラマン考えることが無い。
小原さん、あんたここ来て始めて考えるんだろうって言われたよ。 田中さん見習ってください少し、だって。
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| 田中: |
小原ちゃんの話はね、大体0.5パーセントだから。本当のことは。 |
| 山本: |
面白い3人だけど、同期なんだね。 |
| 田中: |
小沼、田中、小原と『阿部定』やったプロデューサーの結城ね。
この後、曽根中生だの山口清一郎だの岡田裕だの大和屋竺だのになる。
我等7期はね、密かにね、こっそりとね、優しいんですよ。
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| 山本: |
相米監督はロマンポルノ時代はどんな位置にいたんですか。
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| 相米慎二(監督): |
僕はもう、ただただ出来の悪い助監督でした。みんなに、お前なにやってんだ、って言われてました。 |
| 山本: |
この監督たちとはご一緒しました? |
| 相米: |
もう皆さんと。
ここにあと曽根(中生監督)さんがいたら、僕のあらゆる経験がいい所も悪いところも、もう全部教えていただきましたんで、多分ここにいらっしゃる方がいらっしゃらなかったら 僕は今ここにはいないです。
今日は中田監督が、小沼さんをよくお撮りになったとそれが嬉しくて、もうとんでもない人ですから…。
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| 山本: |
こんなたどたどしく喋ってますけど、あの薬師丸ひろ子に「カイカぁーん」と言わせた(『セーラー服と機関銃』)方ですから、映画監督の外見と作品は全然違うんです。
小原監督だってこの風貌で『桃尻娘』撮ってたんですから。
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桃尻娘('78)
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中原監督はどんな過ごされかただったんですか?
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| 中原俊(監督): |
当時、助監督に人気のある監督がいましてね。
西村昭五郎さん、藤田敏八さん、神代辰巳さん、白鳥信一さん、白鳥さんはすごく撮るのが早くて、撮影がすぐ終わる。
あと林(功)さんなんかだったんです。
こちらの、小沼さんも田中さんも小原さんも、助監督には人気の無い監督だったんです。
それは、とってもねえ、現場がねタイヘンなんですよ。
僕は堀内さんとかによくついてたんで、帰ってくるとそういう席しか空いてない。それでよくついてます。
ただ、チーフまでやらしていただいた方は殆どいない。大体下っ端で終わってます。
まあ皆さんすごい監督で。
相米さんおっしゃった様に、殆ど全て勉強させていただきました。
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| 山本: |
どんな現場なんですか。 |
| 中原: |
大抵、帰って来たときに、「ああ、生きて帰れたなあ」って感じ。
田中監督とも、あのーなんだっけ題名が出てこない、あの、女優を日光で裸で吊るした映画とか、ありましたねえ。戦場が原で。 |
| 山本: |
田中さん。 |
| 田中: |
……。(先ほどまで元気だったのに全く反応が無い)。 |
| 山本: |
田中さん、寝てる場合じゃないですよ! |
| 田中: |
マイナス20度くらいで。『責める!』ですか。
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| 中原: |
『責める!』だ。『責める!』だ。 |
| 山本: |
マイナス20度!
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