Web採録

2001/8/25(土) 渋谷シネクイント

女の子限定・日活ロマンポルノ講座
トークショー

ゲスト:

風祭ゆき (女優)
田中登 (監督)
結城良煕 (プロデューサー)

 去る1月19日(土)のイベントはまだ記憶に新しい。渋谷パンテオンという巨大な映画館でロマンポルノ・オールナイトを敢行したのだ!
 大方の予想を裏切って、当日は大入り満員の大盛況、しかも客席を埋め尽くしたのは、何と若い女性たちが6割以上を占めていたのであった。(当日のレポートはこちら

 この大成功を受けて、ロマンポルノ特集上映が続けざまに開催されていったのは皆さんもご存知の通りである。

 そして今回名乗りをあげたのが、渋谷でも1,2を争うおしゃれ系映画館・シネクイント。しかも渋谷パンテオン以来の5作品一挙オールナイト上映&トークショー!
 洋画邦画問わずとんがった映画を上映しつづけるこの劇場は、映像に敏感な若い女の子に特に人気が高いので有名だ。
 ロマンポルノもいよいよ「おしゃれ映画」の仲間入りか、と日活のオールド男性社員は素直に喜べない様子だが、もはやそんなことを言ってる場合ではない!
 果たして「パンテオンの奇蹟」は再び起こるのか?!今回も「事前の情報があまり浸透していない」などと関係者を心配させたのだが…

続々と押し寄せる女の子たち

 結果は御覧のとおり、続々と集まってくる女の子たち!

客席は瞬く間に埋まり、テレビの取材まで入っていた!

 関係者の心配もどこへやら、劇場記録を大幅に塗り替える満員の大盛況で幕開けしたのだ!!!

チケット売り場にて。当日\2800なり。

 最初の作品『○秘色情めす市場』が上映された後、拍手に包まれながらトークショーが始まった。

 当日発表されたシークレット・ゲストは…風祭ゆきさん!

 これに『○秘色情めす市場』の監督・田中登さんとプロデューサー・結城良煕さんをお迎えしての「日活ロマンポルノ講座」第1回を、例によってここロマンポルノ館では詳細にレポートしていきます。

第1講 〜ロマンポルノの始まり〜

「こうやって皆さん、こんなに若い女性の方たちが集まったところを見ると感動します。すごい嬉しいですね、こういう映画にかけつけてくれて。」

 

司会: トークショーをはじめさせて頂きます前に、監督のほうから皆さんに質問したい事があると言う事ですので、私から質問させていただきます。
スクリーンで初めてロマンポルノを見たという方は、どのくらいいらっしゃるでしょうか?

会場の約8割の女性が手を上げた

司会: という事です、監督。
田中:

どうも、監督の田中です。よろしくお願いします。
今手を上げた方をざっと見ますと7割以上の方が初めてロマンポルノを見たという事ですが、いかがですか。

この作品は1974年に作った作品で、今から27年前に作った作品です。今日はね、僕も是非皆さんと一緒に、この大きなスクリーンで見てみたいと思いまして。
見終わって、一気に27年間を突き抜けて、さっきカットをかけてラッシュで皆と見ているような感触です。
僕の中でも27年前の、1974年に戻ったような気持ちになりました。

映画にも様々な形がありますけど、今日皆さんここで5本立てで見られるというのは、非常に幸せな事だと思います。
本当にね、恐らくこれから生きる50年分くらいの人生の勉強が出来ると思います(笑)。

僕ら若い時にね、無我夢中で、映画を作る事ばっかり考えて作った映画ですから、多分それは皆さんにも伝わると思いますから、楽しみにしていてください。(拍手)

結城:

えー、おはようございます、プロデューサーの結城です。
活動屋は朝でも夜でも顔を見たときは「おはようございます」、別れる時は「お疲れ様」と、これしかないんです。

今監督から話がありましたけれども、これは大阪のあいりん地区で全て撮影したんですけれども、日活がロマンポルノをはじめた時は、勿論これは間もなく警視庁のほうから手入れが入って、ワイセツ物陳列罪などという形で、裁判にまでいったような扱いを受けた。
当時30年前は今と違ってセックスについての状況や考え方が違いましたから、ロマンポルノを作るっていうのは大変だったんですね。

まずロケーションに行くのに場所を借りようと思っても貸してもらえない。だから僕らはロケ交渉にいく時に、テレビの台本を持って、このシーンを撮影しますといって許可を取って、実際はロマンポルノを撮ると、そういう事までやってました。

それからこれは今見てもらったように、ロマンポルノは全てアフレコでやってました。
撮影の現場は音は撮らずにサイレントでやって、それでつないだ絵をスクリーンで見ながら俳優さんが声を入れる。
だから今スクリーンで見てみると、若干画と声が合ってないところもありますが、逆に監督にしてみれば、お芝居をつけて撮影する時と、アフレコで音を入れる時と2度演出できるから、倍楽しめる。逆に俳優さんは、2度苦しむ、まあこういう関係で撮ってたものですね。

○秘色情めす市場』('74)
大阪・あいりん地区での危険な撮影

大体、当時の一般的な映画の製作費の4分の1位のローバジェットで、10日間くらいで撮ってました。
だからあのシャシン(=映画)も10日間大阪に行きっぱなしで、お金がなかったもんですから、スタッフから俳優さんから皆大阪のお寺に合宿して、ロケバスももっていけないんで地下鉄で機材を担いで撮影の現場に行ったということもありました。
お風呂も、銭湯券を近くの風呂屋さんと提携して、それを持っていって皆入って、後からまとめてお金を払う、そういう状況で作った映画です。

それでもさっき監督が言ったように、ほんとに作りたい映画を作って。
ロマンポルノっていうのは会社も寛容でして、10分に一回カラミの場面があれば、まあ後はどんなものを撮ってもいいよ、主題は何を扱ってもいいよ、そういう所があったもんですからね。
だから監督以下シナリオライターから俳優さんも含めて、ロマンポルノっていうのはものすごく我々のやりたいものが出来た。

○秘色情めす市場』('74)

ですから普通でいったら、何でこの映画が『○秘色情めす市場』なんていうタイトルなんでしょうね、どこが「めす市場」なのかよく分からないですよね。
これは本篇とタイトルは何も関係ないという事なんです。
要するにこれにまっとうなタイトルをつけたら、多分営業の方が「そんなタイトルじゃ商売にならん」と、商売になるのは何かというと「色情」とかね、「めす」とかそういう言葉をタイトルにつける、こういう事をやりながら苦労のロマンポルノのスタートがあったわけです。

まあまあ前置きが長くなりましたけれども、今日スペシャルゲストで来て頂いている風祭ゆきさんは、今回の5本の作品の中では出演しておりませんけれども、僕は風祭さんとは、5本くらい一緒に仕事をしておりまして、すごく楽しくいつも仕事をしてきて大好きな女優さんですので、今日来ていただいて皆さんとお話をしていただけるようにお願いしました。

風祭さんどうぞ。

風祭:

こんにちわ風祭ゆきと申します。えーと一人でしゃべるんですか?(笑)

今日見て頂く中には残念ながら私は出てないんですけれども、こうやって皆さん、こんなに若い女性の方たちが集まったところを見ると感動します。
すごい嬉しいですね、こういう映画にかけつけてくれて。

結城: そうですね。想像できなかったですね。
僕らがロマンポルノを作ってた頃は、大体中年のオジさんだけが、集まってくる状況でしたから。
風祭:

女教師狩り』('82)
風祭ゆき

最近、そうですね、若い人で30代後半くらいの男性、もっと上の方もいらっしゃいますけれども、何かでお会いすると「あ、どうも昔お世話になっております」って(笑)よく言われるんですけれども。

もうそれも決まり文句みたいになってきて。

そういう意味で思い出に残る作品が一杯あるっていうのは、幸せな仕事だなあって思ってます。

結城:

風祭さんは、ロマンポルノに初めて出られた時は25歳。年齢的にはもう決して若くはない年ですね。
僕らにしてみるとね、大人の女優さんがロマンポルノに出演されるのは非常に嬉しいわけですよね、勿論若い方もいいんですけど。

ちょっと昔話ですが、風祭さんがロマンポルノに出演される決心を固めたというのは、大島渚監督の一言……

風祭: はい。
結城: 「女優は肉体労働者である」という言葉で。
風祭:
『悪女軍団』('81)の風祭ゆき
珍しいアクションシーン!!

そうなんです。
とても私には出来ないわってすごくウジウジ悩んでいた時に、その当時所属していたプロダクションが大島渚監督の関係の事務所で、今度こういう仕事の話がきてるんだっていうのを聞きつけて、 監督が。

そんなウジウジ悩まないで、ああいう仕事って言うのは、女優っていう者が如何に肉体労働者であるかっていう事を実感する、その最たるものなんだから、軽く考えて、体操だと思ってやってきなさいって言われたんですよ。

それで、ああなるほど、そう言われればそうだなって思ってやってみたら、もうほんっとに、肉体労働でした(笑)。
もう体中筋肉痛になるし。

それでよく、濡れ場のシーンは本当に感じるんですかって聞かれたんですけど…

女教師狩り』('82)の肉体労働的なカラミ?!

それこそ先ほど結城さんがおっしゃったように、アフレコで音は後から取るんで、現場の時は監督は、カメラの横で叫んでるんですよね、私たちにどういう姿をしろっていって。

体位は背中をそらせろとか、髪の毛を持ち上げろとか、首をこうやって掴めとか言われながら、いかにも私が感じてるかのように運動するというか、演技するというか。

でもほんとに体中筋肉痛で、ああやっと撮影終わったと思ったら今度はアフレコで、あの声を入れるだけだけでも、「ハッハッ」てやってると結構酸欠になるんですよね(笑)。
ああなんか運動したなって気がしました。一本終わった時に。

結城: 今映画見ててもお分かりになるでしょうが、確かに無理な格好を監督に怒鳴られながらやってると、まあ見てるとそうは見えないですけど、ほんとに自然に、いい気分出してやってるなあという感じに見えるんですけど、実はそうではない。
風祭: そうですねえ。
時には監督がカメラの見えないところで足をつねるとか(笑)。
(田中監督に)ねえ、そういうシーンもよくありましたねえ。
トークショーはまだまだ続く。

次回は、いよいよ田中監督の真骨頂!
ロマンポルノへの思いを熱く語る!!!

 

〜 お知らせ 〜

さらに過激にPOWER UP!
「女の子限定 日活ロマンポルノ講座 Vol.2」

2001年10月27日(土) 21:30〜Start

 興味はあるけど、怪しい男性ばっかりの映画館で観るのは「ちょっと怖いな…」なんて思ってる女の子にために始めたこの企画。大好評につき、第2弾をお届けします。
 今回は、完全男子禁制!もっと過激にもっとゴージャスにロマンポルノという禁断の果実5本立てをたっぷりご賞味下さい。

『女教師 汚れた放課後 監督:根岸吉太郎 出演:風祭ゆき 21:30〜22:36(予定)
トークショー 結城良煕プロデューサーと美しいシークレットゲストの方!! 23:00〜23:30(予定)
『時には娼婦のように 監督:小沼勝 出演:鹿沼えり 23:30〜1:02(予定)
『団地妻・昼下りの情事 監督:西村昭五郎 出演:白川和子 1:25〜2:29(予定)
『みんなあげちゃう』 監督:金子修介 出演:浅野なつみ 2:45〜4:15(予定)
『白い指の戯れ』 監督:村川透 出演:伊佐山ひろ子 4:25〜5:43(予定)

料金:\2800均一
3人以上の女性グループならお一人様\2000でご入場いただけます。
ごめんなさい、男性一切お断り!

詳しいお問い合わせは、シネクイント Tel 03-3477-5905 まで。

シネクイント・ホームページ http://www.parco-city.co.jp/cine_quinto/

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